銀行を辞めたのが35歳。税理士として登録したのが43歳でした。
8年かかりました。決して早いほうではありません。ただ、この回り道があったから見えるようになったこともあり、自己紹介を兼ねて、一連の流れを書いておこうと思います。
同じように、社会人になってから税理士を目指そうか迷っている方の参考になれば幸いです。
2017年 ― 銀行を辞める
新卒で入った銀行に11年おりました。支店で事業性融資と住宅ローンを担当し、その後は法人営業、最後の2年はローン審査の仕事をしていました。
辞めると決めたとき、周囲には「遅い」と言われました。実際、そのとおりだったと思います。同期には役職がつき、受験予備校に通えば、まわりは20代の方ばかりでした。
それでも決めたのは、自分は独立開業を目標にしたためです。
銀行に入行した当初は、独立開業を視野にいれてました。
気が付けば35歳。ラストチャンスだと思い、思い切って税理士業界に飛び込んでいきました。
2019年 ― 簿記論と財務諸表論
最初に受けたのが、会計科目の2つでした。
簿記論は計算、財務諸表論は理論と計算の両方。どちらも、銀行で決算書を読んでいた経験が多少は助けになりました。ただ、「読む」と「作る」はまったく別物だということも、このとき思い知りました。
銀行員は決算書を外から読みます。会計の勉強は、その数字がどう作られるかを内側から追う作業でした。同じ貸借対照表を見ていたはずなのに、見え方が変わったのを覚えています。
2科目とも、2019年に合格することができました。
結果的に1年で簿記論・財務諸表論に合格しました。しかしながら、毎日が壮絶でした。
普通のサラリーマンがスーツを着て、満員電車で通勤する中、自分は学生として専門学校に通いました。これは、やった人にしかわからないですが相当精神にこたえるものがありました。
その経験をへて気合で1年で2科目合格しました。
2020年 ― 会計事務所へ
資格が揃う前に、会計事務所に移りました。
ここで、勉強と実務がはじめて結びつきました。顧問先を30社ほど担当させていただき、記帳から申告書の作成まで、ひととおり経験する機会をいただきました。
印象に残っているのは、銀行で見ていた決算書を、今度は作る側に回ったことです。
どの科目をどう置くか。説明をどの順で書くか。そうした判断の一つひとつが、融資の審査でどう読まれるか。両方を知っていると、お客様への説明がずいぶん具体的になりました。
資金調達の場面では、銀行との打ち合わせに同席することもありました。11年あちら側にいたので、何を聞かれるかは、だいたい見当がつきました。
税務の仕事をしながら、ずっと融資の話をしていたことになります。
2022年 ― 消費税法
働きながらの受験は、会計科目のときとは勝手が違いました。
繁忙期は勉強の時間が取れません。年明けから3月までは、ほとんど進みませんでした。そのぶんを夏までに取り戻す、という繰り返しでした。
通勤時間の2時間や仕事のスキマ時間などなんとか日々の中で勉強する時間をつくっていきました。
1週間で約35時間の勉強時間、1か月でおよそ140時間の勉強時間をつくりました。
これは、また同じことをやれといわれてもできないように思います。
消費税法の勉強をはじめて3年がたった2022年に、消費税法に合格しました。
2023年 ― 大学院へ
その後、大学院に進みました。青山学院大学大学院の会計プロフェッション研究科です。
1年半のコースで、働きながら通いました。2024年の春からは現在の分野の仕事を始めていたので、仕事と大学院を並行していた時期になります。
同じ年、国税徴収法にも合格しました。
大学院で得たものは、免除だけではありませんでした。【ここを2〜3行。研究で扱ったテーマ、あるいは実務と理論のつながりについて感じたこと。差し支えのない範囲で】
2025年 ― 修了、そして登録
2025年3月に大学院を修了し、所定の手続きを経て、【2026】年に税理士として登録しました。
銀行を辞めてから、8年が経っていました。
振り返って
遠回りをしたと思います。ただ、いま相続のご相談をお受けしていて、この順序でよかったと感じることがあります。
相続のご相談は、税金の話だけでは終わりません。
- 納税資金をどう用意するか ― 融資の話です
- 土地を売るのか、貸すのか、持ち続けるのか ― 不動産の話です
- 評価と特例をどう適用するか ― 税務の話です
銀行で11年、会計事務所で3年、そして大学院。回り道をしたぶん、この3つを順番に見てきました。宅地建物取引士を取ったのも、銀行員だった時期です。
一つの分野だけを深めた方には、及ばないところがあると思います。そのかわり、分野をまたぐ場面でお役に立てるのではないかと考えています。
社会人から目指される方へ
8年という期間を見て、長いと感じられるかもしれません。
ただ、私の場合は途中で転職もしており、働きながらの期間が大半でした。一直線に進んだわけではありません。それでも続けられたのは、【ここを2〜3行。シンプルな一言で構いません】
年齢を理由に迷っておられるのであれば、遅いということはないとだけお伝えしたいと思います。私自身が、そう言われながら始めました。
※本記事は筆者個人の経験を記したものです。税理士試験の制度や免除の要件については、国税庁および日本税理士会連合会の公表資料をご確認ください。

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